胸さわぎの腰つう
高校卒業を間近に控え、勤め始めたのは門司区大里の老舗、『小鳩楽器店』。
店は柳町商店街のアーケードの中にあり、一階がCD・カセットテープの音楽ソフト、中二階に楽器売り場があり、二階には練習スタジオがあった。’90年代、最後のバンドブームと呼ばれた頃のお話で、秋など文化祭のシーズンになれば、スタジオの楽器および機材を近隣の高校へ運びセッティングをすることも私の仕事のひとつであった。
ドラムセットなどはまだ良いが、ベースアンプともなると冷蔵庫ほどの大きさとそれを上回る重量があり、狭い階段でそれを担いでの上り下りはなかなか骨の折れる作業で、
「腰をやるなよ」がその時期の社長の口癖だった。
ギックリ腰は、酷使した筋肉が一旦弛緩した時に起こりやすい。なにしろ従業員は私一人のお店である。その時期、毎週末のどこかの学校に出向かねばならない。社長は自身の経験も踏まえ、この時期だけは、仕事が終わった後もおとなしくしていろよ、と私に説いた。
言いつけをキチンと守り、まっすぐ帰宅したある日の風呂上り。シャツを取ろうとヒョイと身をかがめたその時、突然腰に電流が。
「……!!!」
声が出ない。
風呂上りにパンツ一丁で身悶えしている息子を見て、母は叫んだ。
「バカじゃないの!」
…いくら腰に電流と言ったって、当時人気の大仁田の真似ではない。さすがママ。
孫が腰を痛めたと知り、
「これでも塗っとけ」と間違って『アラビックヤマト』を差し出した優しい祖母。
バンテリンはおろかキンカンでもねえ。さすがグランマ。
以来、ギックリ腰「もどき」は癖になった。「もどき」というのは、恐らく私のは前段階くらいなのだ。実際それになった人の話じゃ、翌日動けなくて…なんて言うが、私は動けるからだ。実際、その翌日も、担ぎましたもん、冷蔵庫。ヘンな汗かきながら…。
本当のギックリ腰は、もっと強烈猛烈に違いない。そんな気がしている。それと比べたら俺のなんか「ギクシャク」程度だろう。
先日。久々に仲間を自宅へ招集し、手料理でも…とキッチンに立ちフライパン片手の俺に、数年振りの電流が。また、俺、大仁田。しかしいつものを10とすると、今回は6くらい。大丈夫。今のは気のせいよ…と言い聞かせすぐに起き上がった。
しかし翌日からも不安感は拭えず、ダマシダマシの数週間。ようやく「全身エステ」ならぬ「全身メンテ」の整体もしてもらいさあ復活!イクぜ年末商戦!などと意気込んでいた矢先の二日前深夜。
寝込みを襲われた。若くて美人にならまだしも、電流に。
「そのタイミングはズルイよ!」…まるでふいに唇を奪われた乙女のような台詞を口走りながらもまどろむ俺、翌朝からもうすっかりてめえの尻ぃ拭くにも
「ハゥ!」
くしゃみするだけで
「ホゥ!」
足の指洗うだけで
「ヒャゥ!」…すっかり頭打ったマイケル・ジャクソンと化し(ただし顔はエマニエル坊や)、本日に至る。
仲間の気遣いが恨めしい。
「手を貸しましょうか…………おじいちゃん」
「荷物持ちましょうか…………ご老体」
…ちっくしょうコイツら…。ワシぁまだまだ現役やのに…。中1日、イヤイヤなんならダブルヘッダーも辞さないのに…。アウェーで強いのに…。デーゲーム好きなのに…なんて悶々と寝返り打って
「ポゥ!」………ではまた。
★前回の日記で書いた『ギンナンハゼ』、正しくは『ナンキンハゼ』だそうです。
お詫びして訂正します。俺の記憶力なんてそんなもんだ。あと、今日のが「後日談」ではないよ。
店は柳町商店街のアーケードの中にあり、一階がCD・カセットテープの音楽ソフト、中二階に楽器売り場があり、二階には練習スタジオがあった。’90年代、最後のバンドブームと呼ばれた頃のお話で、秋など文化祭のシーズンになれば、スタジオの楽器および機材を近隣の高校へ運びセッティングをすることも私の仕事のひとつであった。
ドラムセットなどはまだ良いが、ベースアンプともなると冷蔵庫ほどの大きさとそれを上回る重量があり、狭い階段でそれを担いでの上り下りはなかなか骨の折れる作業で、
「腰をやるなよ」がその時期の社長の口癖だった。
ギックリ腰は、酷使した筋肉が一旦弛緩した時に起こりやすい。なにしろ従業員は私一人のお店である。その時期、毎週末のどこかの学校に出向かねばならない。社長は自身の経験も踏まえ、この時期だけは、仕事が終わった後もおとなしくしていろよ、と私に説いた。
言いつけをキチンと守り、まっすぐ帰宅したある日の風呂上り。シャツを取ろうとヒョイと身をかがめたその時、突然腰に電流が。
「……!!!」
声が出ない。
風呂上りにパンツ一丁で身悶えしている息子を見て、母は叫んだ。
「バカじゃないの!」
…いくら腰に電流と言ったって、当時人気の大仁田の真似ではない。さすがママ。
孫が腰を痛めたと知り、
「これでも塗っとけ」と間違って『アラビックヤマト』を差し出した優しい祖母。
バンテリンはおろかキンカンでもねえ。さすがグランマ。
以来、ギックリ腰「もどき」は癖になった。「もどき」というのは、恐らく私のは前段階くらいなのだ。実際それになった人の話じゃ、翌日動けなくて…なんて言うが、私は動けるからだ。実際、その翌日も、担ぎましたもん、冷蔵庫。ヘンな汗かきながら…。
本当のギックリ腰は、もっと強烈猛烈に違いない。そんな気がしている。それと比べたら俺のなんか「ギクシャク」程度だろう。
先日。久々に仲間を自宅へ招集し、手料理でも…とキッチンに立ちフライパン片手の俺に、数年振りの電流が。また、俺、大仁田。しかしいつものを10とすると、今回は6くらい。大丈夫。今のは気のせいよ…と言い聞かせすぐに起き上がった。
しかし翌日からも不安感は拭えず、ダマシダマシの数週間。ようやく「全身エステ」ならぬ「全身メンテ」の整体もしてもらいさあ復活!イクぜ年末商戦!などと意気込んでいた矢先の二日前深夜。
寝込みを襲われた。若くて美人にならまだしも、電流に。
「そのタイミングはズルイよ!」…まるでふいに唇を奪われた乙女のような台詞を口走りながらもまどろむ俺、翌朝からもうすっかりてめえの尻ぃ拭くにも
「ハゥ!」
くしゃみするだけで
「ホゥ!」
足の指洗うだけで
「ヒャゥ!」…すっかり頭打ったマイケル・ジャクソンと化し(ただし顔はエマニエル坊や)、本日に至る。
仲間の気遣いが恨めしい。
「手を貸しましょうか…………おじいちゃん」
「荷物持ちましょうか…………ご老体」
…ちっくしょうコイツら…。ワシぁまだまだ現役やのに…。中1日、イヤイヤなんならダブルヘッダーも辞さないのに…。アウェーで強いのに…。デーゲーム好きなのに…なんて悶々と寝返り打って
「ポゥ!」………ではまた。
★前回の日記で書いた『ギンナンハゼ』、正しくは『ナンキンハゼ』だそうです。
お詫びして訂正します。俺の記憶力なんてそんなもんだ。あと、今日のが「後日談」ではないよ。
コメント
→だいずさん
あけましておめでとうございます。
ご心配をおかけいたしましたが、腰はすっかり回復しました。
今年は個展、やりますよ〜。
詳細は後日…ということで、お楽しみに!
あけましておめでとうございます。
ご心配をおかけいたしましたが、腰はすっかり回復しました。
今年は個展、やりますよ〜。
詳細は後日…ということで、お楽しみに!
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腰痛は大丈夫でしょうか??
今年こそは地元「門司」での作品展(展示会?)開催を実現させて下さいね^^
すごく楽しみです♪
では、今年も素敵な作品を作って下さい!
くれぐれも体には気をつけて…